いままで、おいしいなあと思った餃子に出会ったのは2回ほどしかありません。どういうわけか2回とも野菜主体の餃子でした。最近は通販で入手した餃子と手作り餃子の味比べをしています。
ポイントは、皮は強力粉と薄力粉、水、ラードの組み合わせだからとても作りやすく美味しく、柔らかいので餡も包みやすいです。時間があるときは試してみてください。シンプルな材料ばかりなので失敗しません!
水分を抜く餃子 と あえて水分を入れる餃子
餃子の餡づくり|水分の扱い方の比較
項目 | 水分を抜く餃子 | 水分を入れる餃子 |
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基本の考え方 | 野菜から出る余分な水分を減らして、皮が破れにくく、扱いやすくする | 肉に水分(スープや野菜の汁)を抱かせて、ジューシーに仕上げる |
下処理 | 野菜に塩をふり、10〜15分置いてから軽く絞る | 野菜は軽く刻むだけ(水分は抜かない) |
肉の扱い | 野菜や調味料を加える前に軽く混ぜる程度 | 塩を加えてしっかり練り、乳化させる(水分を抱え込む状態にする) |
水分の追加 | 基本的に加えない | 鶏ガラスープや野菜スープを少しずつ加えて練り込む/煮こごりを混ぜる |
包みやすさ | 水分が少なくまとまりやすいので初心者向き | 水分が多くやわらかいので少し包みにくい |
仕上がりの食感 | さっぱりめ、野菜の歯ごたえが出やすい | 肉汁たっぷり、ジューシーでスープ感あり |
保存性 | 包んでから時間を置いても皮が破れにくい | 時間が経つと皮が水分でやぶれやすい(包んだらすぐ焼く or 冷凍) |
代表例 | 日本の家庭餃子、焼き餃子 | 小籠包、スープ餃子、ジューシー系餃子 |
🥟餃子の餡で水分を抜く理由
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包んだときに皮が破けにくくするため
野菜から水が出ると、皮がふやけて破れやすくなります。とくに白菜やキャベツは加熱でさらに水分が出るので注意が必要です。 -
焼いたときにべちゃっとしないため
水分が多いと、焼き上がりがジューシーではなく水っぽくなり、餡のまとまりも悪くなります。 -
肉との旨味バランスを保つため
水分が多いと肉の脂や旨味が逃げやすくなり、味がぼやけてしまいます。塩で水分を抜くことで、野菜の甘みや旨味を凝縮できます。 -
餡のまとまりをよくするため
水気を切っておくと、挽肉や調味料としっかり絡んで粘りが出て、包みやすくなります。
実際の調理法
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キャベツや白菜は刻んで 塩を振り、しばらく置いてから水気を絞る のが一般的。
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ニラや玉ねぎは水分が比較的少ないので、そのままでもよいですが、多めに入れるときは軽く水気を切ると安心です。
👉つまり「水っぽさを防いで、餡をジューシーかつ皮が破れにくく、美味しく仕上げるため」に水分を取り除くのです。

塩で水分を抜くことで、野菜の甘みや旨味を凝縮できるのは、本当ですか?

内容を入力してください。はい、これは 半分本当で半分誤解されやすいポイント です!
1. 塩を使うと何が起きるか
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塩をふると 浸透圧の作用 で野菜の細胞内から水分が引き出されます。
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このとき水分と一緒に 可溶性の成分(糖やアミノ酸など)も若干流出 します。
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なので「旨味や甘みそのものがすべて濃縮される」というより、
余分な水分が抜けて味が薄まらず、結果として濃く感じる というのが正確です。
2. 料理の仕上がりで「凝縮した」と感じる理由
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水っぽさが減ることで、肉や調味料と混ざったときに味がぼやけず、甘みや旨味が際立ちます。
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キャベツや白菜などは本来水分量が90%以上なので、塩で適度に水を抜くことで「野菜の味が濃くなった」と錯覚しやすいのです。
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ただし、絞りすぎると逆に甘みや旨味成分も一緒に流れてしまい、パサパサで味気ない餡 になってしまいます。
3. 上手に塩で水を抜くコツ
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塩をふったら10〜15分程度置き、軽く絞る(ぎゅうぎゅう絞らない)。
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白菜は水分が多いのでしっかり、キャベツはほどほどに。
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余分な水分が減ることで、肉の脂や旨味を逃さず「ジューシーな餡」に仕上がります。
まとめると:
「塩で水分を抜くと甘みや旨味が凝縮する」というのは厳密には科学的に正しくなく、水っぽさが減ることで結果的に味が濃く感じられる というのが実態です。

美味しいのはわかるけど、
塩で水分を抜くと甘みや旨味が凝縮するというより、水っぽさが減ることで結果的に味が濃く感じられるのはわかりますが、家庭で野菜から水分を抜くのは大変なんです!
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水分を完全に抜かなくても、美味しくジューシーに仕上げられる工夫 をいくつか提案します。
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水分を抜かずに美味しく作る工夫
1. 下ごしらえを簡略化する
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みじん切り後にキッチンペーパーで軽く押さえる
塩を振って絞らなくても、余分な水分だけをサッと吸わせられます。 -
キャベツなら レンジで軽く加熱してから刻む と水分が飛びやすいです。
2. 水分を吸わせる材料を加える
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片栗粉やパン粉を少量加える
野菜から出た水分を抱え込んでくれるので、包んだときにべちゃっとしにくくなります。 -
ゼラチンスープを混ぜ込む
肉の旨味と一緒に野菜の水分も閉じ込められ、冷めてもジューシー。
3. 包み方・焼き方で工夫する
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包むときに「具を詰めすぎない」ことで、多少水分が出ても破れにくい。
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焼くときに フタを取って最後に水分を飛ばす(蒸し焼きの後に強火で水分を飛ばす)と、皮がパリッと
4. 水分を活かす発想
実は、中国北方系の餃子は「白菜やキャベツの水分をあえて利用して、ジューシー感を出す」作り方も多いです。
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肉にしっかり粘りを出してから野菜を加えると、水分が肉の旨味と混ざり合い、スープのような餡になります。
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その場合は 水分を抜かず、むしろ肉に吸わせる のがコツ。
まとめると:
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「しっかり水分を抜く」よりも、水分をコントロールして美味しさに変える 発想がオススメです。
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手間を減らすなら「軽くペーパーで押さえる+片栗粉少々」で十分。
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本格派なら「ゼラチンスープ」や「肉に水分を抱かせる」方法でジューシー餃子に。
🥟 あえて水分を入れる餡作りの考え方
1. 肉に水分を吸わせる
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ひき肉に 塩を加えてしっかり練る と、タンパク質(ミオシン)が溶け出し「水分を抱き込む力」が生まれます。
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この状態で スープ(鶏ガラだし、豚骨スープ、野菜だしなど)を少しずつ加える と、肉が水を吸って乳化し、ぷるんとジューシーな餡に。
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これを「水練り法」や「スープ練り」と呼ぶこともあります。
2. コラーゲン・ゼラチンを利用
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スープをゼラチンで固めて「煮こごり(肉ゼリー)」にして混ぜ込む方法。
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包んで加熱するとゼリーが溶けて、中から肉汁スープがあふれる餃子 になります。
→ これは小籠包や湯包の作り方に近い。
3. 野菜の水分を活かす
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白菜やキャベツの水分を「抜かずに」使う方法。
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肉の乳化状態がしっかりしていれば、野菜から出た水分も吸収され、みずみずしくてジューシーな餃子 に仕上がります。
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ただし、包んでから長時間置くと皮が破けやすくなるので「すぐ焼く or 冷凍保存」が必須。
🧑🍳 実際の作り方(簡易版)
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豚ひき肉に塩を入れ、粘りが出るまで練る。
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少しずつスープ(冷ました鶏ガラスープなど)を加えてさらに練る。
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調味料・ごま油を加え、最後に刻んだ野菜を混ぜる。
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包んだらすぐ焼く(またはすぐ冷凍)。
👉 スープの量は肉の20〜30%程度までが目安。
🔑 ポイントまとめ
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水分を入れる=ジューシーさを増す が基本的な考え方。
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コツは「肉を乳化させて水を抱えさせる」こと。
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野菜の水分も「敵」ではなく「旨味の一部」として活かせる。
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